棋譜並べ(6)相矢倉 伊藤沙恵女流二段
今日は、昨年の女流タイトル戦を並べました。なぜこのタイミングとなりますが・・・
私先日の第28期女流王位戦第4局の将棋に感動してしまいました!
伊藤沙恵女流二段の将棋は前から面白いなーと棋譜中継から参考にしていたのですが(特に相振り向かい飛車から飛車先交換後に五段目に引く形)、今回の将棋で伊藤ワールドを少しでも知りたいと思わされました。
ちなみにタイトル戦挑戦は2度目だそうで、これからドンドン活躍していくだろうと思われます。
将棋世界2015年12月号でのインタビューに
「位を取って盛り上がる将棋が好き」
というように話されていました。さらに、
「大駒を取り押さえるのが大好きです」
とも答えられており、個人的に憧れる棋風だなーと感じました。
という事で1つ1つ並べてみたいと思っています。
棋戦:第5期リコー杯 女流王座戦第2局
2015年11月7日
▲女流王座 加藤桃子
△女流二段 伊藤沙恵
戦型:相矢倉
◾︎序盤
相矢倉の中でも早囲いと呼ばれる戦型となりました。確か早囲いに対して3パターンくらい対抗策があったような・・・。早い段階で7筋の歩交換をしました。
先手の加藤女流王座は藤井矢倉、後手の伊藤女流二段は金矢倉と組み、ここから角交換が行われます。
◾︎中盤
先手から攻めを繰り出します。3筋2筋と歩を突き捨て、銀を繰り出そうとします。先手が継ぎ歩をした瞬間、馬を作るために△3九角と打ちました。
数手進んで自陣で成った角をすぐさま敵陣に戻ります。この辺りから伊藤ワールドが出てきたような気がします。△4七馬を防ぐために▲5六角と持ち駒の角を打たせ、本譜はこの後その角を狙っていきます。
★驚き
ここで私はてっきり△5六銀と角を取ると思っていました。しかし本譜は・・・
△5五歩!
▲7三とが飛車に当たるのでどうなんだろうと思いましたが、接近戦の読みが深くてびっくりしました。この後も難解な中終盤が続きました。
◾︎終盤
この局面で詰みがあり、詰み上がりも美しいです。良ければ詰ましちゃってください!
やはり大駒を責めるのが大好きということは嘘ではなさそうな責めっぷりを味わうことが出来ました。駒がぶつかった時の感覚が新鮮で少しでも取り入れればと思っています。
☆まとめ
・馬をつくる
・大駒を責める
・接近戦でより深く読む